公明党が長年訴えてきた少人数学級。浮島も一貫してその実現に向けて奔走してきました。コロナ禍できめ細かな感染対策や指導・対応が求められる中、その必要性を訴える現場の声も寄せられ、政府に実現を強く求めてきました。浮島は、少子化時代の中で計画的に教職員定数の配置を工夫していけば、新たに大量採用せずとも少人数学級を実施することは可能であることを示しながら、財政当局も含めた合意形成に力を尽くしてきました。
公明党は、2020年6月30日に安倍晋三首相(当時)に提出した提言で、30人以下の少人数の学級編成を可能とするよう訴え、政府の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に「少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備」と明記されました。
予算編成に向けては、浮島が中心となり、党文科部会などが9月10日に萩生田光一文部科学大臣に対して、30人以下の少人数編成に向けた教職員定数の計画的な改善などを申し入れました。また、10月9日に加藤勝信官房長官を訪ね、小中学校の1クラス30人以下の少人数学級の推進を求める「決議」を提出。加藤官房長官は「財務省、文部科学省ともしっかり話をしながら進めていきたい」と応じました。そして、ICTの効果的活用を含むきめ細かな指導や心のケア、感染症対策の充実に向けて「子どもたち一人一人にしっかり目が届くようにしなければならない」と述べ、30人以下の少人数学級の重要性を強く訴えました。それを実現するため、決議では「教職員定数の計画的な改善」を進めるよう要請し、自治体が中長期的な見通しを持って教職員や教室を確保できるよう留意しながら「学級編成の標準を引き下げ、所要の教職員定数を確保するための財政措置を2021年度予算において講ずる」ことを求めました。11月30日には伊藤渉財務副大臣(公明党)に対して申し入れを行うなど、政府への働き掛けを重ねてきました。
12月15日には、公明党から大口善徳、中野洋昌の両衆院議員と佐々木さやか、下野六太、安江伸夫の各参院議員、そして、自民党の河村建夫衆院議員ら与党の国会議員で、財務省で青木孝徳主計局次長と会い、来年度予算で小中学校の1クラス30人以下の少人数学級を実現するよう訴えました。その中で、義務教育段階で30人以下の少人数編成を可能とする教職員定数の計画的な改善を実現するよう求めました。青木次長は、文科省と引き続き連携する考えを示しました。
粘り強く協議を進めた結果、2020年12月17日の閣僚折衝で、麻生太郎財務大臣と、萩生田光一文部科学大臣が、公立小学校の1クラスの人数について、2025年度までに35人以下に移行することで合意。2月2日には、義務標準法改正法案が閣議決定されました。そして、2021年3月31日に同法案は、参院本会議で、全会一致で可決・成立しました。これにより、きめ細かい指導や感染症予防の体制を築くため、2025年度までに「35人学級」へ段階的に移行します。小学校全体で引き下げが行われるのは、約40年ぶり。少人数学級実現に向けた公明党の一貫した取り組みが実を結びました。
また、政府は、3月26日成立の21年度予算で、35人学級の実現やそれに伴う教職員配置の充実に向け、教職員定数を744人改善(増加)します。そして、2022~25年度には同定数を毎年3000人超ずつ改善する計画です。同定数は、今回の35人学級実現に関連して計1万3500人程度増やし教員の体制も強化します。
引き続き、誰一人置き去りにすることなく全ての子どもたちの多様な個性と可能性が最大限に発揮される体制づくりとともに、次なる感染症や災害等の緊急時においても、国内外全ての子どもたちの学びを保障することができるよう、新しい時代にふさわしい学校教育環境の整備に向けて取り組み、今回の前進を契機に、中学校も含めた35人学級、30人学級へと進めていけるよう、引き続き尽力してまいります。
萩生田光一文科相に対し、30人以下の少人数編成に向けた教職員定数の計画的な改善などを申し入れ (2020.9.10)
加藤勝信官房長官に少人数学級の推進を求める「決議」を提出(2020.10.9)
萩生田文科相(中央)に提言を申し入れる党文科部会(2021.8.3)